価値観の変化の話
年始は箱根駅伝を観るのが我が家の恒例行事だ。というか私が一人で熱中しているだけなのだが。
そんななか極端に失速したり、山登りでフラフラになっている選手が下級生だとうちの母親は決まって「この子は下級生だから来年もチャンスがあるから」という。
確かにその考えは間違っていない。悔しい思いを同じ舞台で晴らせるチャンスがあるのは下級生の特権でもあるし、私もその考え方だった。
しかし、その考えを変える出来事があった。
毎年年末年始にかけて行われる高校サッカー選手権。
私が観たある試合は80分で決着がつかずPK戦へ。PKのスコアは5-4だったが、唯一PKを外したのは2年生だった。その選手が自分が先輩達の高校サッカー人生を終わらせてしまったと大粒の悔し涙を流していたのがとても印象に残っている。
この選手に個人のリベンジのチャンスは残っている。しかし、今のチームでリベンジすることはできない、それどころか自分のプレーがこのチームの終焉に直接かかわってしまっているのだ。もちろん先輩達がこの選手を責めることはないだろう。むしろこの悔しさを来年にぶつけてほしいと願うはずだ。
最後の大会となればプレッシャーがかかるのは3年生だと考えてしまいがちだが、自分が先輩達のチームの命運を握ることにもなりかねない下級生にも相当なプレッシャーがかかっていることをこの出来事で実感した。
下級生の活躍はプレッシャーに打ち勝って掴んだもの。今後も学生スポーツにおいて下級生の活躍には大きな拍手を送りたいと思う。